2009年1月23日金曜日

アブストだけ読んだり,タイトルだけ読んだり,読みっぱなしだったり.


アブストだけ読んだ論文.
 
神経科学の論文ではないけれど,おもしろそうだったので
Indirect reciprocity provides only a narrow margin of efficiency for costly punishment
Hisashi Ohtsuki, Yoh Iwasa & Martin A. Nowak
Nature 457, 79-82 (1 January 2009)
人間社会で,非協力的な人に懲罰が与えらるような環境では(当然!?)利他的行動が促進されるのだけど,懲罰を与えること自体がコストである(懲罰を与える側にもコストがかかる)とすると,協力関係が促進されないってことをゲーム理論をもちいて検討したらしい.結果から言うと,協力関係の促進は狭いパラメータ範囲でのみおきていて,間接互恵性(情けは人のためならず,まわりまわって自分に利益がくるということ)が効率的になる(直接的になる,つまりすぐに自分に見返りを求めるようになる!?)ので,たいていの場合はコストを伴うと懲罰では協力関係を促進しようとすることは非効率,ということらしい.自分の経験と照らし合わせても,そうだろうなと思える.

今度は量子力学.
Squeezing and over-squeezing of triphotons
L. K. Shalm, R. B. A. Adamson & A. M. Steinberg.
Nature 457, 67-70 (1 January 2009)
量子力学では,観測に不確定性が生じるのだけど,位置と運動量の対のように相補的な間では等しく分配されるのだけど,スクイージング(squeezing)を行うと,一方の観測の不確定性を大きくする代わりに,もう一方の不確定性を小さくすることができるとか!
 知識がないので,何を言っているのか全然わからないけれど,すごそうな気がする.不確定性という言葉にヒカレル.

Emergence of complex cell properties by learning to generalize in natural scenes
Yan Karklin & Michael S. Lewicki.
Nature 457, 83-86 (1 January 2009)
視覚のモデル研究.画像の統計量の変動をニューロン活動が符号化して,...
 アブスト読んだだけでは見当つかなかったので,ちゃんと読む.

Anticipatory haemodynamic signals in sensory cortex not predicted by local neuronal activity
Yevgeniy B. Sirotin & Aniruddha Das
Nature 457, 475-479 (22 January 2008)
fMRIは血流変化を計測していることになるのだけど,それをもって脳活動計測と読んでいるのは血流変化がニューロン活動に関係すると考えられているから.この研究では,サルを使って,ニューロン活動の直接計測とfMRI計測を同時にしたら,先ほど述べた前提(仮定)だけでは完全には説明できない現象があって,一部のfMRI信号がニューロン活動と無関係であると.これから活動するだろうってところで,血流の増加が見られたとか.
 fMRIで行動の数秒前に活動(血流変化)が起こるっていう研究がいくつかあるが,この現象なのか??fMRI研究の再考をもとめる結果でもあります.

fMRI研究に問題を投げかけると言えば,すでにいろいろと取り上げられていますが,
Response to “Voodoo Correlations in Social Neuroscience” by Vul et al. - summary information for the press(PDF)
cf.
・Brain imaging studies under fire(nature news)
・脳のイメージング研究が炎上中(5号館のつぶやき)
・神経社会学のfMRI研究における魔術のような相関(追記あり)(大「脳」洋航海記)
・Ed Vulへの反駁と再批判:早合点されているようだが、これは手法への批判であって神経社会学そのものへの批判ではない(大「脳」洋航海記)

Visual image reconstruction from human brain activity using a combination of multiscale local image decoders.
Miyawaki Y, Uchida H, Yamashita O, Sato MA, Morito Y, Tanabe HC, Sadato N, Kamitani Y.
Neuron. 2008 Dec 10;60(5):

ATRの宮脇さん,内田くんらの論文.
ちなみに,この号のNeuronの表紙にもなっていて,モノグラムがルイ・ヴィトンみたいでかっこいい.


タイトルだけ読んでおもしろいかもと思った論文
J Neurosci. 2009 Jan 7;29(1):169-78.
Dynamic changes in brain activity during prism adaptation.
Luauté J, Schwartz S, Rossetti Y, Spiridon M, Rode G, Boisson D, Vuilleumier P.

J Neurosci. 2009 Jan 14;29(2):301-2.
Perception of facial expression in somatosensory cortex supports simulationist models.
Hussey E, Safford A.

J Neurosci. 2009 Jan 14;29(2):436-43.
Differential effect of reward and punishment on procedural learning.
Wächter T, Lungu OV, Liu T, Willingham DT, Ashe J.


読みっぱなしで,早く整理したい論文.
J Neurosci. 2008 Oct 15;28(42)
The native coordinate system of spatial attention is retinotopic.
Golomb JD, Chun MM, Mazer JA.

Nat Neurosci. 2009 Jan;12(1):24-5.
Feature-based attention modulates feedforward visual processing.
Zhang W, Luck SJ.

Neuron. 2008 Oct 9;60(1):162-73.
Context-dependent changes in functional circuitry in visual area MT.
Cohen MR, Newsome WT.

Nature. 2008 Nov 13;456(7219):189-94.
Using temperature to analyse temporal dynamics in the songbird motor pathway.
Long MA, Fee MS.
これはおもしろかった.鳥の歌の研究です,脳内で時系列がどうやって表現されているかのヒントになりそう.


明日は(今日は),1日実習です.
 

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