2009年11月25日水曜日

ひるさがりの予定

今の作業の残り時間がわずかなのを教えてくれて,

次の作業まで時間が迫っているのを教えてくれて,

ナマケモノの背中を押してくれる.



Google CalendarでDay表示にすると現在の時刻をちっちゃな三角と赤い線で教えてくれます.

2009年11月24日火曜日

日高敏隆さん,レヴィ・ストロースさん


 
日高敏隆さんの訃報. 
動物行動学の日高敏隆さんが死去

少し前の話desuga.
レヴィ・ストロースさんも亡くなったと.

「悲しき熱帯」レビストロース氏死去 「構造主義の父」
「構造主義」のレヴィストロース氏死去、100歳
リーバイストラウス氏死去─ジーンズ構造主義の大家


特に後者の方について,僕の中では歴史上の登場人物だったので,つい先日まで現在進行形だったことにおどろく.歴史は現在につながっていたのね,と.atarimae.

Wave




Google Wave,欲しかったんです!

数年くらい前から,メールはあまり好きではなく,さらに最近はSkypeやGoogle Talkなどのチャット(ビデオチャット)が便利になって,メール以外の選択肢が持てるので,よりメールだと面倒だと感じる事が多くなってきた.

Google Waveも使えるかな.カチャカチャとキーボードを叩くと,相手のパソコンにリアルタイムで文字が現れる.とりあえず,今のところ,それがおもしろかった.

Googleさんからは招待状がなかなか届かずウズウズしていたところ,友達に招待してもらいました.

招待状を送ってくれた友達にこの場を借りて感謝.

2009年11月19日木曜日

公開して行うのは良いことだね.

事業仕分けの3-21 若手研究育成テキスト
最後のまとめで,レンホウさん,

1ー2割縮減が4名
1/3程度が縮減が3名
半額が3名
まあ1/3から半額縮減が6名となります。
言うんだったら,1-2割から1/3程度が7名,じゃないの!?3つで言ったら,1-2割縮減が一番多い人数...行政刷新会議の評価コメント(PDF)の資料で言うと,WGの評価結果では,
予算要求の縮減10名(a 半額3名、b1/3縮減 3名、その他4名
とりまとめコメントでは,
評決の結果は、予算要求の1/2から1/3縮減という方が6名おられた。...
091113-5資金若手研究育成 録音を聞いたら, やはり1-2割縮減が4人と言っていますね.資料は,間違っていそうです.生データ(解析されていない元のデータ)が残っていて良かったです.

PS.
正確に言えば,報告書は間違ったことは書いていない.「1-2割縮減が4人」が隠れているだけ.誤解を招く表現です.

PS.
実は1ー2割縮減が4名と言ったのが間違いで,資料の方では正確に修正したという可能性はあります.

2009年11月18日水曜日

必要とされない職業,事業仕分け



最近,ネットであまりに同情されないポスドクへコメントを見て(ポスドクの方が研究職を選択したがゆえの窮状を掲示板に書き込んで,それに対して「自己責任」という主旨のコメント多かった),これが小児科医だったり産婦人科医だったらもう少し同情されるんじゃないかと思ったり...自己責任と言っている方々は,現在ポスドクの人達が自己責任で研究職を「選択しなかった」としても,誰も困らないよ,と言っているのですよね.

改めて,必要とされない職業についている身なのだとわかって,なかなかがっかり.

とはいえ,研究社会と他の社会との距離感としては,こんなもんかなとも思っています.科学者は,政治的な(社会的な)活動について嫌悪感強いですし,教育についてだって自分の研究時間の対価として払われる負担としか考えていない方もよく見ます(研究したい研究者にとって,感覚的にはそうなってしまうのはしょうがないのですが,長期的に科学コミュニティーを持続させるため必要であることは一呼吸考えれば分かることなので,それを露骨に表現されると僕はイヤな気分.).

今日,かなり久しぶりにGoogleニュースを見てみたら,ニュースのカテゴリに「テクノロジー」があって,以前は,たしか「科学・技術」だったのに...たしかに「科学・技術」の時も,検索されるニュースはPCのパーツの話題だったり,ほとんど技術的なニュースだったので,実情にあわせたんだろうと思います.

でも,「科学」のカテゴリはなくなっちゃったので,地味にがっかり.

##

事業仕分け.科学関連は第3会場の11月13日

事業仕分け録音のテキスト化

こちらも,事業仕分けの対象(疑わしき事業)の時点で,すでに科学関連の予算がほとんど入っていたので,なかなかがっかり.

若手研究者の競争的資金が生活保護と同列に議論されているのにもがっかり...時間のない議論なので,表現が直接的でもよいのですが,国家百年の計を表現するには下品な言葉が多いのは残念.回答する方の言い回しは,回りくどくて,質問に対して,もっと簡潔に回答しろよと思う.

ただ,事業仕分けを公開にして行うという点は,とても民主的だとは思っているので,事業仕分けという方法論にはとても好感を持っています.

ところで,
すべての事業は当事者にとっては必要です.ただ現状では,限られた資源(今回は特に経済的資源)で行うために,優先順位をつけなければいけなかったわけです.どうやってその優先順位をつけるのだろうと,興味がありました.僕は全体が把握できないので,もちろん科学の優先順位がどこにあるかも分からなかったのです.異なる事業をどう比べるのか,例えば児童教育と科学の優先順位をどのように評価するのか,に興味がありました.

ふたを開けてみれば,
単にある事業について担当官僚(関係者)と仕分け人がディベートをしてその優劣が事業評価であるという方法だった.科学の重要性をディベートして,勝てば良かったわけなので,これはもうちょっとがんばってほしかったな.これまでだって,科学成果のプレスリリースに対して「何の役に立つのですか?」と素朴な質問は科学素人記者からたくさんあったはず.科学の経済的な波及効果だって適当に試算できたんじゃないかな.

某大学では,ある失敗をして,予算が削られることになって,ようやく危機感を抱いて,その危機感で新しい研究科を作っちゃった例もあるんですよね.多くの大学がその必要性は認めているものの,その研究科は(国公立では!?)その大学にしかありません.危機感を良い方向に向かわせることができればいいですよね.

事業仕分けに関していろいろと記事↓
事業仕分けWS3 まとめウィキ(←まとまっている!)
事業仕分けとProblem of Extension
Japanese science faces deep cuts

ちょっと皮肉.日本でもエコって言ってもダメだったのかな.
世界最速スパコン:景気刺激策で新研究を支援する米政府 | WIRED VISION

とはいえ,行政刷新会議の事業仕分けは法律的な拘束力はないはずなので,科学者の政治力を発揮しましょうか.若手の研究者が意思を表明できる場もあるようです.
科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名
行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください

学会のHPでは,事業仕分けに対する意見の表明などは出ないのですかね.日本の大きな学会をみても出しているところがなさそう.腰が重いな.

教授さん方,がんばってください.政策を動かすのは若手の仕事じゃないよ.素敵な言葉で科学の重要性を説いてくださいな.

PS.
国に依存しすぎる科学もどうかなと思うので,同時に民間のお金で研究運営するロールモデルを模索してほしいです.

2009年11月12日木曜日

orz

メインで使っていたPCの電源ファンが変な音を立てている...

焦げ臭い...

アー...

実験データなど研究で使用するファイルは全て他のハードディスクに同期してあったのが,幸いか...

それでも別のPCでのセットアップ,ちょっとの手間がメンドクサイ.

とりあえず修理にも出した.

2009年11月11日水曜日

ぷはっ==...

 
先週は,非常にがっかりしたり,よろこんだり.
昨日は,良い結果が伴ったのでほっとしているところ.

ほっとしたとたんに,体の節々がだるいというか,筋肉痛というか,運動した後の様.いろいろと緊張感が続いてたのかしらん,と終わってから気付く.

よし,雑務,やりたくないこと,は片付けた.
さて,やらなければいけないこと やりたいこと,にとりかかろっと.

2009年11月5日木曜日

比べること.

 
物理学とは,現象を相対化する科学である.

まず,物理学とは何か?
ある現象が不思議という研究者の主観があってその
次に,その現象は特に不思議ではあるけれど,他にも
原理的に同じものがあることを実験的に示すこと.そ
して,最初に不思議と感じた現象は,それら一群の現
象中の一つにすぎないことを理論化すること,すなわ
ち現象の相対化である.
沢田 康次: (2009) 脳の現象論と物理学 , 日本神経回路学会誌, Vol. 16, No. 3, pp.126-127 . (PDF)

映画イル・ポスティーノで,郵便配達のマリオが「世界全体が何かの隠喩になっているのですか?」と詩人のパブロにたずねる場面が思い出された.

脳機能を数理的な表現で書きくだす事は,脳機能と数理的表現を相対化している,と言っても良いのかな.

巷で,脳科学者が,専門家でない方々に脳機能を擬人化して説明したとして,それは仕方のないことだよね,と思っている.たくさんの人に説明するなら,たくさんの人に共通する卑近な例で「相対化する」のは当然かな.正確な表現ではないからと言って,会話をやめてしまうのは,あまりに閉鎖的すぎるので,外部に向けて非正確な表現を恐れずに語れる人はコミュニティーに一定数必要でしょう.

僕は,ポスター発表で知らない人に説明する場合に,いつも僕から聞きに来てくれた相手にどんな研究しているのか,学生の方だったら学部や研究科を,逆に質問してしまう.相手が持っている言葉がある程度推測できないと何からしゃべって良いか分からなかったりします.もちろん,こちらにもしゃべりたい言葉があるので,後からこちらの言葉を理解してもらうようにもがんばります.

専門家のコミュニティー内では正確に表現することが,第1優先だと思っている.だから,無用に相手に合わせるだけが能ではないでしょうけどね.何かのアルゴリズムを説明しているときに,「直感的に説明して.」とか言われると少しカチンとくるので,ホワイトボードに数式を書いて,コレです,と言うことにしてる.一方で,僕も生理学や心理学の術語を無邪気に使ってしまう癖があるので,それに気をつけている.

そうそう,
相対化するものを持たない人は理解できないんですかね?
そうだとしたら,脳科学者は,脳だけを見ているわけにはいかないですね.そうだとしたら.

PS.
何か1つと相対化したからと言って,さらなる相対化をやめてしまったら理解は深まらなさそう.できるだけ一般的で正確な表現と相対化できるようにがんばらないとですね.

2009年11月2日月曜日

turtle neck,polo neck,もしくは徳利を着てみようと思うくらいの寒さ.

今日の京都は少し寒いです.全国的に寒いんですかね.

##

今日,考えた事.

仮説なしの研究を標榜して,例えば,脳の認知行動レベルでの情報処理について,できるだけ統制をせずに自然な状況を作り出して実験をしたとして,時間的にも空間的にも高解像度の脳活動データを取ったとして,環境(刺激)も高次元データで脳活動や行動も高次元データになるわけですが,何か分かるかと言えば,まず確実におぼろげにしか分からない.科学的に何か言えるかといえば,無いはず.考察はいっぱいできるだろうけど.

なぜなら,不定性(解が一意に決まらないこと)が大きくなるから.自分の分野で良く聞く言葉で言えば,正確な表現ではないと思うけど,実験条件がコンタミ(Contamination)して解析では原理的に切り分けられないから.

実験設計をするときに,
仮説とする脳の情報処理のモデルと,その他のいくつかの考えられるモデルと,の間に十分に差が出る課題を作り出さなかったら,検証できない.

ヒトの脳で,感覚入力からの情報を次元縮約している情報処理過程があるのは自明だと思うけど,それが判別分析しているのか,主成分分析しているのか,独立成分分析しているのか.を確かめるためにはどれか1つのモデルを選んで,計算理論のレベルで選択したモデルが他のモデルと差の出る状況を調べて,実験を作らないと検証できない.

上の3つの次元縮約のアルゴリズムは最適性が違うけど,とはいえ,視覚的に複数個の物体を認識したり,識別するという程度の課題設計だったら,どれでもうまくいく.差は現れないと思う.異なる最適性が差として現れる課題を計算論的に考えて,できるなら解析計算して,少なくとも数値計算はして,実験設計する必要がある.

仮説を立てて,仮説を忘れて,また仮説を立てる,
(実験する前に仮説を立てて,実験・解析するときには仮説を忘れて,解析後にまた仮説を立てる)というのが,実際の研究のプロセスですけど,忘れる仮説だからと言って最初をおざなりにすれば,ろくな実験はできないので,どのプロセスを強調することなく,全てを整然と行うのが研究かなと.

とはいえ,「ヒトが判別分析をしている」と仮説を立てて実験設計をして計測して,データが出てきた後に,やっぱり「ヒトが主成分分析している」と思い直したところで,検証するためには同じ実験設計やデータではダメで,別の実験設計をして計測しなおすのがオチだと思う.なので,やっぱり事前知識(先行研究)からすんごくよく考えた仮説を持っておくのが必要かな.やっぱり,最初に仮説を立てるプロセスを強調しておこうw.

計測しなおさなくても他の仮説が検証できる程度なら,仮説のもっている具体性はそれほどないかもね.

PS.
最近,fMRIデータなどでの脳領野結合解析で使われるDCM(Dynamic Causal Modeling)という解析方法を勉強して,かなり生成モデルを仮定していることを知ったのだけど,知りたい事(領野間ネットワーク)の下層にある生成モデルのパラメータ推定によって,知りたい事(領野間ネットワーク)のモデルはなんとでもなってしまいそうな胡散臭さはある.生成モデルを考えればいいかと「想え」ば,それだけだと妄想なんですよね.

知りたい事の下層にある現象の適度な抽象化,というのが今のところの1つの答えですが,階層性のある現象(脳)の理解のためには,いろいろと工夫が必要です.