2009年10月25日日曜日

日常的な理解の仕方

今年に入ってから,fMRI研究でクラス分類を用いたデコーディングが,かなり増えています.みんなでSVM(Support Vector Machine)という感じ.ただ見ていると,やはりクラス分類だけだと脳の情報表現には迫れないのだろうという印象.

ところで,以前に,昨年くらいかな,再構成によるデコーディングなら,これまでの解析方法よりも優れた方法になるんじゃなかろうかというニュアンスで書いたことがあった気がします.ただ,今はさすがに興奮も少し冷めて,以前に書いたほどには思っていないのですが.で,いろいろと再構成について考え直してみて,それでも再構成がイイと思う点の1つ.

脳活動の情報に何が表現されているか,僕たちがその全体像を理解しやすい.ということ.

例えば,定量的な評価指標である相関係数が0.6と言われても,実はそれだけでは何が表現されているかは理解できない.何との相関をとったのか確認しなければわからないし,情報の一部が表現されているだけですよね.適当な1次元の数値で表現されると2つ以上の解析結果を比較する際には分かりやすいですが,情報の全体を認識するのには適切ではないような気がします.

それに比較すると,例えば脳活動が視覚情報を表現しているならば,脳活動を画像に再構成してくれたら,あぁこういう情報ね,と直感的に情報自体の「全体が」理解できる(ような気がします).視覚的情報は画像や映像にして視覚的に理解する,聴覚情報なら音にして聴覚的に理解する,のはヒトにとって日常的な理解の様式なので,情報の(漠然と)全体を理解するには良い方法なのではないかなぁ.

ということで,再構成が有効なのは,1次元の指標では理解しにくい場合で,画像とかある程度の高次元情報を扱うときかなぁとは思っている.

自然を理解するために,棒グラフなり,折れ線グラフなり,相関図なり,いろいろな理解の様式があるわけですけど,fMRI研究において脳の情報を画像や音に再構成ししてみるのは,その1つですかね.

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