2009年2月17日火曜日
サッカー批評
表紙を見たとき,おっと思った.たぶん僕より上の年代で,サッカーを見ていた人にはデジャビュなはず.
僕が中学生だった頃に,あとからドーハの悲劇と呼ばれる試合で負けて,うなだれたラモス瑠偉がこの表紙と同じだった.あの頃は,うなだれたラモスの写真をたくさん目にしたし,その後もことある毎に目にしたので記憶に残っています.表紙をめくると中に,そのラモス瑠偉の写真が出ています.
この雑誌はサッカーの雑誌で,年に4回だけ発行される季刊誌.創刊号の頃から表紙が好きで,一時期僕には内容ともどもおもしろくなかったのだけど,最近また内容もおもしろくなって表紙も好きなのが続いています.
スポーツの雑誌は往々にして試合の寸評が記事だし,表面をなぞった結果論が多く,その内容が正しいのか判断する材料を挙げてくれないので,あぁそうですか,という感じ.この雑誌は,テーマにそっていろいろな角度からの記事があるので,記事がどういう文脈で書かれているのか,その根拠も比較的理解できます.あるチームが試合で勝つまでに至る過程が,クラブの財政だとか,運営だとか,行政や地域との連携だとか,子供達の育成だとか,メディアだとか,もちろん試合での戦術なども網羅的に記事になっているのでおもしろいです.おかげで読むのに時間かかりますけどね.ちょろっとした時間に読むときは,山崎浩一の「ぼくらはへなちょこフーリガン」とかインタビュー記事とか.
ところで,少し前までの日本には職業としてのサッカー選手は数えるほどだったわけで,職業ではなかった仕事が職業になる,というのを僕はおもしろく見ています.サッカーを職業として成立させるための仕掛けとか組織とか,サッカー選手を職業にした派生でその他にもいろいろな仕事が職業になっている様子を見るのはおもしろいし,参考になります.長くサッカーを続けていたおかげか,接点のある人が選手やスタッフとして働いていたり,小さなクラブが地域リーグからJリーグへとあがっていく様子も比較的近くで見られたので実感になっています.この雑誌はいろんな職業の人が登場するので,その点でもおもしろいです.科学もたくさんの仕事から成り立っているのだけど,職業になってもいい仕事がまだ結構あるように思いますね.
ちなみに紹介している号は12月に発売されているのですが,まだ書店にあったので今日買った.
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