2008年11月25日火曜日

【論文】マカクザルのVIP野:視覚と体勢体性感覚の一致した性質 Duhamel1998

Ventral Intraparietal Area of the Macaque: Congruent Visual and Somatic Response Properties
Jean-René Duhamel, Carol L. Colby, and Michael E. Goldberg.
The Journal of Neurophysiology Vol. 79 No. 1 January 1998, pp. 126-136.

概要.

脳領野で視覚野と体勢体性感覚野の境にあるVentral IntraParietal Area(VIP)で両感覚野から投射があることが知られています.VIPでの受容野が視覚と体勢体性感覚で共通しているという話.何が共通しているかというと受容野の位置選択性,大きさ,運動方向選択性,などなど.受容野の位置や大きさなど定義を厳密にしているわけではないですが,定性的には上記で述べた現象がみられるということはわかります.

感想
10年前の論文でVIP研究が始まった頃の,原始的!?な方法でおこなわれている研究.でも,VIPを研究する上では押さえておかなければいけない研究.データはひたすらヒストグラムつまり数を数えているだけだったり,結構生データな感じ.FIG.4とかは,割合で表示したり相関を示したらと思ったり思わなかったり..それにしてもサルにしたら,いろんな物でやたらとさわられるのは気味悪かったろうな.^^;

FIG.1.
ディスプレイで灰色で表示されているところが視覚的な受容野で,サルの顔や体で灰色に表示されているのが体勢体性感覚における受容野.体勢体性感覚の方は,エアパフや筆記用具でつついたり,綿棒でさわったりしている.同じニューロンで図にあるように,視覚と体勢感覚の両方に反応している.

視覚的な中心が鼻頭に対応している.FIG.2.3.で解析しているけれど,両感覚野とも中心から離れていくと,視覚と体勢体性感覚の両方で受容野の大きさが大きくなっているのがわかる.

FIG.2.
横軸!?は鼻頭からの距離,縦軸!?が体勢体性感覚の受容野の面積で,それぞれについてニューロンの数を表示している.FIG.1でも書いたけど,鼻頭からはなれると受容野の面積が大きくなっている.

FIG.3.
横軸!?は視覚受容野の中心からの距離,縦軸!?が体勢体性感覚の受容野の面積.これも相関がありそうなのがわかる.

FIG.4.A.
両感覚におけるニューロンの同側・反対側の関係を示したグラフ.視覚で反対側ならば体勢体性感覚でも反対側という関係が見られる.同側はもともと取れているニューロンも少ないので,こんな感じ.割合で表示しても良かったんじゃないかな.

FIG.4.B.
視覚座標の上下と体勢体性感覚での鼻を境にした上下のニューロン数の関係を示したグラフ.これも相関ありな感じ.

以下,こんな感じで図を見ればわかるので,あとの説明は簡単にで.

FIG.5.
運動選択性も同じ.

FIG.6.
運動選択性が同じ.
ただし,視覚受容野がディスプレイの外にある場合.

FIG.7.
同じく様々な場所での運動選択性.
一番下の2つの図は腕を動かしたときで,その時に活動するニューロンもあった.

FIG.8.
物が近づいてくるとき離れるとき視覚と頭部の前後体勢体性感覚.

FIG.9.
体勢体性感覚で綿棒を頭部につけたとき離したときに反応するニューロンが,視覚刺激の点滅に反応する.

FIG.10.
回転方向選択性について.これはちょっとにわかに信じがたいけど.こんな単純な視覚と体勢体性感覚の座標対応なのか??

 

2 件のコメント:

おおば さんのコメント...

体勢感覚じゃなくて体性感覚だろう、と思ってググってみたら体勢感覚という言葉もあるのね。

静止姿勢や運動姿勢を感じ取るのを体勢感覚と呼び、体勢感覚に触覚・圧覚・冷覚・痛覚などの皮膚感覚を加えた総称を体性感覚と呼ぶ、とすると筋が通ると思う。

以上、内容に関係ない茶々入れでした。

ShIka さんのコメント...

おっと.

今回は触覚の話しなので,「体性感覚」の方が良いですね.