Summerfield C, Koechlin E.
Neuron. 2008 Jul 31;59(2):336-47.
概説
予測符号化仮説(Predictive coding hypothesis)であることを示唆するfMRI論文.予測符号化仮説とは,皮質領野間の相互結合(遠心性結合と求心性結合),領野内での再帰的結合で何が行われているかについての仮説で,次の3つの事をいっています.
- 低次皮質から高次皮質へは予測誤差(prediction error)を伝える.
- 高次皮質から低次皮質へは低次から伝えられる信号の予測値を伝え
る. - 再帰的結合は低次から伝えられる信号の予測値(
expectation)を計算する.
2つの実験課題をもちいて,予測値(事前情報)
感想
おこなった実験課題によって観測できる脳機能についての説明には
Figure 1.
A.Predictive codingを説明した図(省略)
B.C.実験課題
上から順に3つの実験課題を説明する図が表示されている.
中段,下段はA/~A decisions task(Yes-no judgments task)であり,黒丸の中に緑の線分が現れ,
A/B dicisions taskは,脳内では事前情報を利用せずに一人勝ち戦略(
D.実験課題の反応時間.薄い灰色がA/~A decisions
taskでmatchを押したときで数字の1,
E(省略,cf.Figure2-5)
Figure 2.A/~A decisions > A/B
decisionsで活動を示した脳部位.つまり,予測値(事前情報)の表現があることを確認された脳部位.
A.ロードマン18・19野,紡錘状回fusiform/lingual gyri,上側頭回Superior temporal gyrusが活動している.
B.図Aに示された各領野で条件間の差を棒グラフと共に示した図.
Figure 3.non-match > (A/B decisions and match)で活動を示した脳部位.予測誤差の表現があることを確認された脳部位.
A.1次視覚野V1p,3次視覚野V3,中・下側頭回middle/inferior temporal gyrusが活動している.
B.省略
Figure 4.
A.B.C.省略
D.Figure2,3で確認された脳領野の結合を示した図(ここが最も重要な解析).最高次であるSTGはA/~Aで活動しており,そこからFG,V1cへと予測値(事前情報)が流れている結合があり,V1cからITGへ予測誤差が流れている結合がDCMによって同定されている.黒の矢印が有意な結合関係であり,灰色矢印は有意でない結合関係.
E.省略
Figure 5.match > (A/B decisions and non-match)で活動した脳部位.つまり,報酬予測や意志決定,予測的知覚(top-down perception)などに関わる脳部位.
A.腹内側前頭野(ventromedial prefrontal; vmPFC),眼窩前頭皮質(orbitofrontal cortices),後帯状回(Posterior cingulate cotex)が活動している.
B.省略
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